電子タバコ(VAPE:リキッドタイプ)は禁煙・節煙に有効。
私は禁煙して約二年になる。上海出張時、中国で歩きタバコをすると罰金を取られるという噂を聞いて、禁煙を決意した。禁煙パッチとVAPE(タールやニコチンが入っていないリキッド式の電子タバコで体と財布に優しいオシャレなアイテム)を使用して約一か月で完全禁煙に成功し、それ以来一本も吸っていない。自分では絶対に「依存症」に罹っていると思っていたので、案外あっさり禁煙に成功したことが意外であった。
タバコの依存症というのは一般的には「ニコチン依存症」のことである。ニコチンを体内に取り入れて、脳内ホルモンを分泌させて気分を爽快にするため、ニコチンが切れると、またニコチンを体内に取り入れたくなってタバコを吸うのである。VAPEはニコチンやタールが入っていないのだから、厳密にはタバコではなく(実際、この商品の購入にたばこ税は掛からない)、VAPEを吸引している人を喫煙者とはいわない。しかし、現実的に煙(厳密には水蒸気だが)を口から吐き出すのだから、知らない人、普通の人は喫煙者と思うだろう。実際、私もVAPEを吸引するときは、喫煙室に行く。そして喫煙者から白い目で見られる。喫煙者は、VAPEのことを知っている人もいるので、いわゆる電子タバコ(ICOS等ニコチンを含むもの)との区別がつくので、「なんでお前がここにいるの?」的なことになるのである。
依存症からの完全脱却をめざして
タバコの依存症というのはニコチン依存症という身体的要因のほかに、心理的要因、簡単に言えば、「癖」の要因がある。私がいわゆるタバコをやめたにもかかわらず、VAPEを吸引する理由は、運転中の信号待ち、仕事の区切りにおける一服、および日常の手持無沙汰の時の慰みである。これは「深呼吸するから体にいい」なんていう真偽のわからないうわさもあるが、私個人的には、そんなメリットは感じられない。それにそもそも、やはりこの癖は、非喫煙者から見れば奇怪であり、口から煙(?)を吐く姿を見せられる以上、気分のいいものではないだろう。
最近私も、気が付いたらVAPEの存在を忘れていることがある。うっかりして家に置きっぱなしで、運転中や出先で気づいたりすることがある。しかしあまり、「やってしまった感」はない。タバコを吸っていたときには考えられないことだ。タバコを吸っていた時は、そんな場合は、暇を見つけて近くのタバコ屋やコンビニに寄ってタバコと100円ライターを買うものだから、家に大量の100円ライターが今でもある。しかし、VAPEにしてからはそんなことは一切なく、なければないで、一日過ごせてしまうのである。
そんな私が今考えているのはVAPEを完全にやめることである。ちょうど退職して収入も減ったこともあるので、今使っているリキッドがなくなったら、もうやめようかと思っている。一日に吸う回数も減ってきているので、なかなかリキッドも減らないが、しかし来月には辞めているだろうと思う。
このVAPEを吸引するという時間は、タバコを吸っていた時と同様、「完全思考停止」期間である。要するに、タバコ吸いの人は、「空き時間」をできるだけ無意識にやり過ごすために、タバコを使って一日の時間(人生)を短く過ごしているのと同様なのだ。よく非喫煙者と喫煙者の間で、タバコ休憩は「サボり」ではないかという議論が繰り広げられるが、まあ、「サボっているかどうか」は個人別の問題で、永遠に答えは出ないが、しかし、喫煙者が人生を無駄遣いしているという点も、あながち否定はできないと思う。ただし、喫煙者のために補足するが、かといって、非喫煙者の方が、人生を有意義に過ごしている、あるいは仕事を効率的にこなしているとはいえないので、タバコ休憩を一概に糾弾するのはどうかと思うということを付け加えておく。
いずれにせよ、私もこのVAPEを卒業して、隙間時間を有効に活用して、残りの人生を有意義に過ごすことに注力したい。会社勤めを終え、ストレスがなくなって、実際、自分の中でもVAPEの必要性は弱まっている。いい傾向だと思う。