じょじょ日記

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お金とは何か?

投稿日:2020年7月20日 更新日:

お金は本質的には何の価値もない。

生きていくためにはお金は必要である。では人間一人が生きていくためにはどれだけお金が必要かというと、その時の貨幣価値や生活水準にもよるが、大体2億円とか3億円とかいわれ、普通のサラリーマンの生涯所得も大体それくらいと言われている。

「働かざる者食うべからず」とか「地獄の沙汰も金次第」とかいうことわざもあるくらい、お金が人生に及ぼす影響は昔から重大である。お金のあるなしで、人生が豊かになったり、貧しくなったりもすることも事実である。お金とは一体何だろうか。

今の社会、とりわけ日本においては、人並みに文化的な生活をしようと思えば、上述のごとく、おおむね生涯で2億程度のお金を何とか稼ぎ出さなければならず、それが十分にできなければ、野生の動物のような生き方しかできなくなる。それはあまりに残酷なので、「生活保護」等の社会制度が整備され、互助精神で社会を維持する仕組みがある。しかし、この制度も悪用を防ぐため、人並みに稼げない人もいずれは社会復帰をしてもらうことを目指している。結局、何とかして生涯2億程度のお金を稼がないと、普通には生きてはいけないのである。

こんな社会がいいか悪いかの議論は無駄である。世界的に貨幣制度を導入していない国はないし、もう何百年何千年にわたって、この制度を人類は運用して生きているので、今後、世界からお金が無くなることはないと思われる。もしくは、なくなるとすれば、まだまだずっと先であると思う。

それほどお金は人類と切っても切れない関係性があるのだが、本質的には、お金はただの「商品交換券」に過ぎない。

お金とは何らかのサービス(労働)の提供、あるいは投下資本の利潤として得られ、世の中の様々なもの(サービス)と交換できる権利のことであり、貨幣はその「証明証」「権利証」のようなものである。お金は人間が作り出したもので、人間以外の生物には存在しない概念である。つまり、お金には本来何の価値も意味もないのである。

あるべき社会とはどのようなものか?

ではお金に支配されて生きていかなければいけない社会の意味とは一体何なのだろうか?そもそもお金は人間が作り出したものであるから、そんなものに支配されて生きていくことは本末転倒である。むしろ、お金の心配などしなくても生きていける世の中が、あるべき姿と考えるのが正しいと思う。

私は個人的には「ベーシックインカム制度」の導入には大賛成で、人間の代わりに労働をするロボット(アンドロイド)を作って、そのロボットに支払われるべき賃金見合いを税金として政府が徴収し、国民に再分配すれば明日からでも実施できると思うが、そもそもそんなロボットがまだ開発されていないこと、そして、暇になった人間の精神性が低すぎると、幼稚な犯罪も増えるという懸念も生じてくると思うので、私が生きている間にベーシックインカム制度は実現しないと思っている。

つまり、もうしばらく、お金の心配をしないと生きていけない世の中は続くと思うのである。これはいい悪いの問題ではなく、現実がそうだからそうという、きわめて暴力的な人生の事実であるといわざるを得ない。

しかし、私は人生に生きる意味はないと思っているので、その人生を生きるためにお金を集めることそのものにも全く意味はないと思っている。お金持ちはうらやましいと思うが、巷で増えているお金持ちになりたい病の人たちのようには、お金持ちを尊敬する気になれない。というか、あまり賢そうな人がお金持ちにいるとは思えない。ネットで話題の青年実業家も、彼の好きな単語に「~するバカ」というのがあるが、私は彼こそバカにしか見えないし、彼の理論は、人間を機械のように考えるマニュアルバカ、仕組みバカ、または奴隷制を前提とした社会運営しか思いつかない西洋人かぶれしたバカの好きそうな理論にしか見えないのである。もう一言付け加えると、彼の提唱する経営理論に目新しいものはなく、どこかの学者が唱えた学説や理論、仮説の受け売りであると思う。

私はミリオネア(億万長者)にはなりたいと思うが、ビリオネア(兆億長者ともいうべき大富豪)にはなりたいと思わない。さすがにそれほどの貨幣(資産)コレクターになるには、人生で大切な、お金以外のものを犠牲にしなければいけないような気がするし、世界の大富豪に、尊敬すべきオーラみたいなものをあまり感じ取れないのである。もっというと、彼らの話す人生訓が、彼らが獲得した貨幣量、資産額に見合っていないような気がするのである。さらにはっきり言うと、彼らが、それだけ稼がなければそんなこともわからないようなバカであるとしか思えないのである。

しかし、普通は、何者でもない私ごときがこのようなことを言うと、「負け惜しみ」だの「妬み」だの「ごまめの歯ぎしり」だの、まるで犯罪者のような罵声を浴びるだけである。つまりそれほど、普通はお金を「信奉」しているのであり、「お金を持つこと」が幸せの必要十分条件であり、お金は美しい魂のもとへ集まるのだと洗脳されてしまっているのである。それほど、お金は人生に深くまとわりついてしまっているのである。

人類がお金の呪縛から卒業できるまでは、やはり一般人はあまり偉そうなことは言わず、適切に細々とお金稼ぎをしていくしかないのだろう。ただ、生きていく意味を、しっかり自分で設定してそれに従って、自分に忠実に生きていくことが、たった一度の人生には最も重要であることだけは間違いないと思う。本来的には、お金はそれに付随して集まってくるものであると信じたい。だが、お金は、本来の人生の成果という無形の宝物よりも具体的でわかりやすいので、普通は、そっちを大事にしてしまうのであろう。ただでさえ意味のない人生なので、意味のないものに人生を費やすことだけは避けたいと思うのである。

-人生論, 生活

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  1. […] 概念を生み出し、今やほぼどの国でも貨幣を使って生活している。もはや、人類は生きていくうえでお金は必要不可欠のものとなっているのである。(※お金についての記事はこちら。) […]

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