じょじょ日記

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人生論

IQとは何か?

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頭がいいとはどういうことか?

IQは「知能指数」と呼ばれ、このネーミングが日本人の心を捉えて離さないようだが、このネーミングこそが誤解を招いていると主張するIQの高い人もいるようだ。私も確かにこのネーミングはよくないと思う。

IQが高いと、どうやら「頭がいい」と判断していい程度には、学歴や、収入などの人生の結果に、「傾向」として現れるとはいえるようである。しかし、IQいくらであれば、学歴は何になって年収はどれだけになるという風に、絶対的な尺度にはならない。また、IQが高い人が「頭のいい人」という評価を得られているかといえば必ずしもそうではない。IQは「知能指数」などと大げさな名前がついているが、その本質はいったい何だろうか?

例えば、人間の身長、体重、体温、腕力、脚力、腹筋力、背筋力、歩く速度、走る速度等、原単位(1m、1Kgといった最小の単位)を決めることができれば、人間の体や能力の測定は、合理的な尺度をもって測ることができる。しかし、人間の頭の良さというような原単位が合理的に決められないような「性質」に関しては測定できないので、IQ(知能指数)などというものは、そもそも絶対的には測定不能であることは、少しググればいっぱい記事が出てくるので、IQ自体には大した意味はことについてはここでは議論しない。要するに、IQとはその人の頭の良さの傾向がわかるという、統計学に基づいた、精度のいい占い程度に楽しむものなのだろう。

なぜ人は、ここまで「頭がいい」ことに興味を持つのだろうか?それはおそらく、日本は資源のない国であることにかかわっていると思う。もしも金(GOLD)がたくさん採れる、石炭石油がたくさん採れる、世界文化の中心地である等、他国が欲しがる資源が豊富にあれば、それを「発掘」するという肉体労働に徹すればよいが、それがない以上、輸入した原料を加工して価値を高めるというある意味の頭脳労働が産業の中心になるのである。つまり、日本は古くから、文化や物資を大陸から輸入して発展してきたが、その対価として支払うものは、何かを加工する技術しかなかったのだろう。そして何かを加工する場合、工夫が必要になり、工夫しようと思えば頭の良さが必要になるので、頭がいいこと=人生が豊かになるという概念を刷り込まれたのかもしれない。

頭の良さの要因は何か?

しかし、そのように頭がいい(器用である)ということだけでは食ってはいけないのである。なぜならすぐ真似されるからだ。事実、最近日本経済に活気がないのも発展途上国に(加工)工業技術を真似され、追い越されつつあるからだ。頭が良ければ無限に工夫し続けられるかというとそうではなく、単に頭がいい(器用に加工する)こと以外の要因、または本当に頭がいいとはどういうことかという真の要因を突き止めなければいけない時代になってきているのかもしれない。

それは頭の良さを単なる論理構築の完璧性、俊敏性に求めるだけでなく、「直感」というような、それまでになかった理論構築のきっかけを発見するような能力、教科書がまだ書かれていない分野の研究というか、もはや芸術的センスの才能にまで踏み込んだ、豊かさの提案ができる能力が、頭の良さに求められているような気がする。

要するに今後「頭の良さ」を論ずる場合、これまでのように、何かを応用、加工して新たな価値を付加する理論を構築するための頭の良さを評価するのではなく、「発見」する能力、「好奇心」の強さを示す能力、「人の心」を引き付ける魅力の強さを示す能力を評価するような指標が必要とされているのかもしれない。これはつまり、これまでの「知能指数」の概念には、ある程度「経験」や「熟練」の要素が影響したと思うが、この新たな「知能指数」の概念には「経験」や「熟練」は必要ないし、むしろ邪魔かもしれない。

そもそも単なる効率化を実現するための理論構築にたけた頭の良さなど、AIが人間にとって代わる時代が来るだろう。そのかわり、すばらしい思い付きやひらめきが人間に任された業務分野となり、その能力の優劣を測る指標が重要視されてくると思われる。「ひらめき」や「思い付き」を大切にし、あまり意味に重点を置かないで「行動」してみること、つまり、AIにはできないことが人間の強みになり、その能力がこれから大切になることは間違いない。

※ある場所でIQについて、「思い付き」の質問をしたら、少し科学的に「説教」されたので、そのストレス発散もかねて記事にしてみた(笑)。

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